「全財産を長男に相続させる」という遺言書があったとします。では次男は何も受け取れないのでしょうか。そこで登場するのが「遺留分」という制度です。
遺留分とは
遺留分とは、一定の相続人が最低限受け取れる財産の割合として民法で保障されたものです。遺留分が認められているのは配偶者・子(直系卑属)・父母(直系尊属)です。兄弟姉妹には遺留分はありません。
遺留分の割合は、相続財産全体の1/2(直系尊属のみが相続人の場合は1/3)です。例えば配偶者と子2人の場合、遺留分の合計は1/2で、配偶者の遺留分は1/4、子それぞれの遺留分は1/8です。
遺留分侵害額請求
遺留分を侵害された相続人は「遺留分侵害額請求権」を行使できます。2019年の民法改正により、従来の「現物返還」から「金銭請求」に変更されました。これにより事業承継時の混乱が軽減されました。
請求には期限があります。相続の開始および遺留分を侵害する贈与・遺贈があったことを知った時から1年以内、または相続開始から10年以内のいずれか早い方です。
遺言書を作成する際は遺留分を考慮した内容にすることで、将来の家族間の紛争を防ぐことができます。