相続税は原則として相続開始から10ヶ月以内に現金で一括納付します。しかし不動産が資産の大半を占める場合、「土地はあるのに現金がない」という問題が起きることがあります。
現金が足りない場合の選択肢は3つです。まず「延納」は最長20年の分割払いで、利子税(年0.3〜6.0%)が加算されます。税額が10万円超で担保提供が必要ですが、100万円以下・3年以下なら担保不要です。次に「物納」は相続した不動産や株式で税金を払う方法です。優先順位があり、不動産は第1順位ですが、抵当権が設定されていたり境界が未確定な土地は物納できません。最後に「売却して現金納付」が最も確実な方法です。ただし売却には通常3〜6ヶ月かかるため、相続開始後すぐに動き始める必要があります。売却益には譲渡所得税も別途かかります。
こうした事態を防ぐためには生前対策が重要です。生命保険(法定相続人数×500万円の非課税枠)の活用や、計画的な生前贈与によって不動産偏重の資産構成を改善しておくことが効果的です。