日本の公的年金制度を理解する上で欠かせない「マクロ経済スライド」という仕組みがあります。
少子高齢化の現実
高齢者1人を支える現役世代の人数は、1990年に約5.1人でしたが、2021年時点では約1.9人まで減少しています。将来推計では2050年頃には約1.3人まで減少する見込みです(総務省「国勢調査」・国立社会保障・人口問題研究所)。
マクロ経済スライドとは
この少子高齢化に対応するために導入された仕組みです。物価や賃金が上昇しても、年金の給付水準の伸びをそれより低く抑えます。つまり年金は名目上は増えても、実質的な価値は緩やかに下がっていく構造になっています。
長寿リスクへの備えも重要
現在の日本人の平均寿命は男性81.09歳、女性87.14歳(厚生労働省「令和5年度簡易生命表」)です。65歳から受給を開始した場合、男性で約16年、女性で約22年の受給期間があります。
平均寿命と健康寿命の差(介護が必要になる期間)は男性で約9年、女性で約12年とされています。この期間にかかる介護費用や医療費も老後の資金計画に組み込んでおく必要があります。
こうした環境を踏まえると、公的年金だけに頼らず、NISAやiDeCoを活用した自助努力による資産形成が不可欠だということがよくわかります。